気ままに生きます

人生いろいろ

メリークリスマスソング

 

バンプのメリークリスマス。

シングルのダブルA面なのにくそ無名。

 

 

B'zのいつかのメリークリスマス

このご時世にろくにPVすらUPしない。

名曲すぎる。中坊の頃聴いていた。

 

 

amazarashiのクリスマス。

曲の出だし。

「小さな雪の粒も 積み重なれば 景色を変えるのは不思議ですね

どうしようもない日も 積み重なれば 年月と変わるのは 残酷ですね」

まさにインキャが好きそうな歌詞。

浪人生の頃に狂ったように聴いていたぞ

 

 

坂本龍一戦場のメリークリスマス

夏はSummerなら冬は戦場のメリークリスマス。ピアノっていいですね。

 

 

back numberのクリスマスソング。

認めない。おれは認めない。4700万回再生されたいたとしても認めない。

 

 

中途半端にかぶれたバンド好きの人間は普段全く聴きもしないのにこの時期は特に[Champagne]の12/26以降の年末ソングが聴きたくなるとか言っちゃうからお気をつけください。

 

 

 

ちなみに僕の好きなクリスマスソングはフジファブリックの「ECHO」です。

今日12月24日はクリスマスイブでもありますが、同時にフジファブリックの元ボーカル志村さんの7回目の命日でもあります。

ギターの山内さんが亡き志村さんへ歌ったこの「ECHO」という曲。クリスマスソングという意味では異なるかもしれませんが、今日という日に聴いてみる意味はあると思うのです。歌詞がストレートに響きます。

 

映画 「ルーム」 感想

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電子媒体、特にスマートフォンというのは本当に便利なもので、いつでも手にとって調べ物もできるし覚え書きもできる。移動の最中でも日記を書くことができるし何なら歩きながらでも、トイレに篭りながらでもできる。

ただどんなものにも長所と短所があるもので、筆を取らずに書き留められる反面、誤って削除してしまうと二度とその内容は戻らないというパラドックスが存在する。つまり時間をかけて書けば書くほど再び書き起こすやる気が起こらなくなるということ。

そういうこともよくあるのです…

 

 

 

ところで先日、「ルーム」という作品を観た。

外からは暗証番号でロックされ、唯一光が差すのは天窓のみという劣悪な環境下で7年間も閉じ込められている母子が一大決心をして外に助けを求めに行くというのが大まかなストーリー。と、ここまではありがちな脱走物のようにも思えるがこの作品はただのサスペンス映画ではない。

普通なら物語のクライマックスに脱走シーンを持ってくるが、この映画はあっさり中盤で納屋からの脱出に成功する。そしてここからが物語の肝。

無事脱出した母子であったが、その異質性が故にマスコミの耳目を集め、メディアから好奇の目を浴びせられる。さらに数年ぶりの再会となった親戚や祖父母との微妙な距離感が2人を徐々に狂わせていく。

ただ個人的には最後までこれがサスペンスなのかヒューマンドラマなのかがよく分からず、結果として中途半端に終わってしまったのではないかという印象を持った。

結局は脱出のシーンが1番盛り上がった場面であり、それ以降にあったいざこざが些細すぎたために前半のインパクトを補えていなかったように思える。母子を監禁していた当の父親が逮捕後は絡んでくることが一切なかったし、子供も周囲の同じくらいの年齢の子たちからは特に事件に関して言及されるようなシーンもなかったし、生まれてこのかた母親以外の信頼できる人間に会っていなかったにしては人間関係が上手くいきすぎていたようにも思う。

 

 

しかし、その中でも印象に残るシーンは多々あった。冒頭で子のジャックが納屋の狭い室内にある家具、トイレ・クローゼット・電灯など1つ1つにおはようと挨拶していたが、ラストの場面で取り壊される予定の納屋に訪れたシーンで、ジャックが同様にそれらの家具に別れの挨拶を告げているシーンが特によかった。

ジャックにとっては家具そのものが友達であり、外の世界を知って以降も忘れられない存在だったのであろう。

 

全体の流れで見ると、結局は納屋から飛び出すことはできても、何らかの制約やしがらみがあるという点では世間もまた、ただ広い納屋にすぎないのかなという意味がこの「ルーム」というタイトルに込められているのかなと感じた。

 

それにしてもジャック役のジェイコブ・トレンブレイくんの演技も上手すぎたし、顔も可愛すぎた。

映画 「ファンタスティックビースト」「キャッチミーイフユーキャン」 感想

①ファンタスティックビースト

 

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ハリーポッターシリーズを半分ほどしか見たことがなく、しかもストーリーの仔細まであまり理解していない僕のような人物がこの作品の感想を述べることですら甚だおかしいことではあるが、個人的にはファンタビ好きでした。

その際たる理由はやはり魔法動物に焦点を当てている点です。愛らしくてトリッキーな動きをする魔法動物達が魅力的。

ファンタビシリーズは5部作製作されることが発表されていますが、今回はその導入編でもありストーリー的には特に進展もありませんでしたが、その世界観の一片を見ることができたので概ね満足です。

主役のエディレッドメインは絶対いい人。

ヒロインの妹が可愛かった。

 

 

 

②キャッチミーイフユーキャン

 

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レオナルドディカプリオとトムハンクスがダブル主演の10年以上前の映画。高校生でありながら数々の人々を欺き、パイロット・医者・弁護士など数々の職業に成りすましたディカプリオを刑事であるトムハンクスが追っていくという逃走物。当然犯罪行為をしているのですが、どこかで次はどんな騙し方をするんだ?と思わず期待させられてしまう。事あるごとに頃合いを見計らって逃げ出してきたディカプリオにとってはトムハンクスが唯一の友達だったという点も興味深かったです。普通クリスマスイブの夜に警察に電話なんてかけませんよね。爽やかなディカプリオと味のある演技をするトムハンクスだからこそそのいい関係を醸し出せるのかもしれません。

そして、この映画の1番驚くべきところはこれが全て実話だということ。映画のモデルの主人公は今はその経験を生かし警察で小切手詐欺の権威として撲滅に尽力しているとのこと。

一度過ちを犯しても適材適所でその人が1番輝ける場所を用意するところがまたアメリカらしいと思いました。

 

 

 

①お金

年齢とか学年が同じ人と飲んだ時、会計や所持金の都合で正確な分配ができなくなり結果自分が千円か二千円くらい余分に払ってしまうことがたまにあって、そんな時に返して欲しいなあという気持ちをいつまでも引きずり、でも別にそれが言い出しにくい関係でもなく、すんなりその場で言えば済むことなのに、結局言えずじまいで帰宅した後に脳内で細かい料金を思い出し、自分が何円多く払ったかの詳細な数字を求め、最終的にはもうちょっと返して貰えばよかったなあという謎の後悔をしている自分を本当に恥ずかしく思うと同時に、自分自身を醜く、また卑しい人間だなとつくづく思ってしまう。

要するに小さい男なのです。

 

 

②インスタグラム

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インスタグラムにこういう画像を貼って京都なう♡とか #ファインダー越しの世界 #写真で繋がりたい #photographyとかいうタグをつけているやつを八つ裂きにしたい。

ちなみに写真は自前。先日京都で撮った。ちなみにインスタグラムはやっていない。でもこういう画像を載っけなくなる気持ちは多少は理解できた。インスタ民を侮蔑しながらも実はLINEのアイコンにしている。八つ裂きになるのは自分自身。

 

 

 

③映画館

よくいる映画館でめっちゃ脚の長さをアピールしてくるやついますよね。蹴りまくってくるやつ。そいつ自身はもちろん悪いけどそういうやつをどうにか懲らしめるようなシート作りを映画館側はするべき。例えばシートの背面を強力な粘着性をもつ物質に変えるとか。

でもやっぱり1番いいのは自分が最奥の席を確保することか。

 

 

Base Ball Bear ツアー「バンドBのすべて 2015-2016」@京都磔磔

今日はBase Ball Bearのライブを見に行ってきました。

場所は京都磔磔というライブハウスで、キャパは350人程度とそこまで大きくないです。

しかもなんと普通の住宅街の中にあり、隣も民家でした。

実はこの磔磔というのは元々酒蔵だったそうで道理で会場入り口にも趣があると思いました。

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今年はベボベの結成15周年&メジャーデビュー10周年という節目の年でもあり、新旧問わず様々な曲を披露してくれました。

セトリはこんな感じでした。

 


1 BREEEEZE GIRL

2 senkou_hanabi

3 彼氏彼女の関係

4 ストレンジダンサー
5 USER UNKOWN
6 BOYS MAY CRY
7 Transfer Girl 

8 short hair
9 初恋

10 17才
11 曖してる
12 Tabibito In The Dark
13 yoakemae
14 海になりたい part.2
15 PERFECT BLUE
アンコール:

1 逆バタフライエフェクト(新曲)
2 夕方ジェネレーション

 

 

 

1 BREEEEZE GIRL

ここは少し特徴的なライブハウスで、控え室が舞台袖ではなく、客席後方から伸びる階段を上ったところにあります。

そのため、アーティストも階段を降りて登場してくるのです。それはさながらM1グランプリのよう。

そして1曲目はBREEEEZE GIRL。

いや、そりゃ手をあげますわ、人差し指を天井に突きつけますわ、大声で「ウォーオーオー」言ってしまいますわ。

実はこの曲のPVには無名時代の市川紗椰が出演してます。へぇ。

 


2 senkou_hanabi

今日の大阪は最低気温8℃という寒さで風も時間帯によってはかなりきつかったです。

しかし、ここ磔磔ではそんなの関係ねぇ。

BREEEEZE GIRL、senkou_hanabiと立て続けに演奏されるともう気分は夏です。ナツいです。

ちなみにYahooでベボベと検索すると何故かサジェストにsenkou_hanabiの歌詞の一部でもある「when you see」が表れます。そこまで有名な曲でもないのになぜ。不思議。

 

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3 彼氏彼女の関係

僕がベボベのアルバムを初めて聴いたのが高校2年生だか3年生の頃でした。

その時は「おおきく振りかぶって」というアニメの主題歌にもなったドラマチックだけ知っていました。

そして、初めて借りたCDが「バンドBについて」というアルバムでした。なんだかどう見てもベストアルバムっぽいタイトルですし、実際にベストアルバムなのですがそれはインディーズ時代を総括したベストアルバムでした。

まあそんな勘違いからベボベに興味を持ったのですが、その時最初に気に入ったのがこの曲でした。個人的には思い出のある曲。

 

 

 

4 ストレンジダンサー
5 USER UNKOWN

 

ここらへんはカップリングシリーズ。ストレンジダンサーはRHYMESTERとコラボしたThe CUTの、USER UNKNOWNは銀魂の主題歌にもなったstairway generationのカップリングです。ストレンジダンサーは一回聞いたことあるかないか。

そもそもベボベがカップリング曲をライブで演奏するのは最近では珍しいことなのです。

これぞ節目の年のライブという感じで貴重でした。

 


6 BOYS MAY CRY

これもインディーズの曲です。(※訂正 神々LOOKS YOUのカップリングでした。失礼しました。)

今更なんですが、今回サポートギターで参加していた弓木英梨乃さんのギターが単刀直入に言うとヤバかったです。

特に音がめちゃくちゃ良かったです。

 

 

このGOGO!MANIACのカバーなんかギター教室の生徒さん達がみんな唖然とするほど上手くてむしろ途中から笑えました。すげぇ。

これでメンバーより年下で自分とも3歳ほどしか変わらないなんて…すごい。すごい。

 


7 Transfer Girl

この曲をコピーした時のことを思い出しました。

いやー楽しかったなあの時は。

音源ではAメロBメロを所々切りながら歌っていますが、ライブではAメロBメロを淀みなく一呼吸二呼吸で歌っている、というのがミソです。

 


8 short hair

あーいいよ。MCで全方面に対して毒を浴びせ続けてたこいちゃんが作ったとは思えないような綺麗な歌。透明感ってこういうことでしょう。ここらで「お前、今すぐこの場から立ち去れ。帰れ!」と言われても「はい。満足しました。」と答えてしまうほどもうこの時点ですでに満たされていました。はい。

 

 

9 初恋

これもコピーしましたねー。最後の切なげな1分超にも及ぶギターソロのためにあるような曲。初恋のこのライブ映像好きです。

何回聴いてもいい曲。

 

 


10 17才

この曲の前にちょっとMCがあって。ベボベはアルバムごとに毎回違う変化を取り入れてきたバンドだということ。ただそこでバンド編成という構成だけは変えなかったこと。しかし今年突然湯浅さんが脱退してしまったこと。そこで1番不安に思っているのはファンなのではと感じていること。その不安を払拭するためには新曲を出し、ライブを重ねるのが1番だということ…といった内容でした。

そんな折に際して初心忘るべからずという意味を込めて演奏された17才。

沁みますなー。年々変わってきているという話にもありましたが、年々こいちゃんの歌い方も変わってきているような。

ここではちょっとクセの強い17才でした。ドラマチックや17才の頃の曲をあまりライブで演奏したがらないベボベ小出祐介がここで披露したというのは単なるファンサービスの一環でキャリア総括ツアーでもある今回だからということももちろんあると思いますが、原点回帰をすると同時にこのタイミングであえて演奏する意味を少し理解できたような気がします。

 


11 曖してる

今のクセのある歌い方に1番マッチしてるのがこの曲ですね。ファンキッシュでキャッチーなこのサウンドは今のベボベにしかできないでしょう。こういう曲って邦ロックではありそうでなかった。ベボベの事務所は新しいベボベの側面でもあるこの曲でPVを作るべきだったと常々思います。アルバムのリードトラックではあるものの、いちアルバム曲として埋もれたままでもいるのはあまりにももったいない。ひょっとしたら買って聞けというのが方針なのかもしれないけれども。

 

 

 

12 Tabibito In The Dark

もはやすっかり定番曲。初めて聴いた時はリフがかっこいいのにサビがちょっとパンチに欠けるかなあとか思ってましたが、もう今ではライブハウスでご覧の通り狂喜乱舞してますからね。人って変われるもんです。これのBメロを弾きながら歌えるよう練習したいですね。

 


13 yoakemae

yoakemaeのライブアレンジ版は本当にかっこいいんです。というのも実は原曲とは少し異なるんです。まずAメロBメロが増えているのですが、嫌でも訪れる新しい夜明けに対する逃避の念がより鮮明に描かれ、それが翻って新しい1日を迎えるに際しての気持ちの切り替えをはっきりと映し出しています。またライブで直接耳にするギターソロ、さらにラスサビ前の「ここだ」という歌詞のタメ…など生演奏でしか聴けない良さがあります。端的にいうと最高。

 

 

 

 

 

 

 

14 海になりたい part.2

 

あなたが今日もまた泣くのなら

僕もあなたを包み込む 海になりたい

 

あゝ湯浅さん…

 


15 PERFECT BLUE

やっぱりベボベで1番いい曲なんじゃないでしょうか。僕のお葬式で流して欲しいです。

一聴したその時から耳を持っていかれましたね。ベボベ脳。

 


アンコール:
1 逆バタフライエフェクト

バタフライエフェクトとは、映画で有名なあれです。過去に戻って自分の行動を変えて今現在、未来の自分を変えるあれです。面白いやつです。2がありえないほど駄作なあれです。

その逆っていうことは今の自分の行動で未来を変えていく的な?もしかしたら未来の自分がバタフライエフェクトをして逆バタフライエフェクトを今日聴き、またその逆バタフライエフェクトをしてバタフライエフェクトを行う前の世界に戻っているのかもしれませんね。

真面目に言うとこれからベボベが変わっていく中で自分たちの手でより良い方向にバンドそのものを変えていくという意味合いがタイトルに込められているのかもしれません。

 


2 夕方ジェネレーション

You gotta generation

ベボベといえばこれか祭りのあとで締めるのが定番。今年も無事に聴けました。

 

 

あー楽しかった。

しかし今日見た関根さんは今まで見た中で1番カッコ良く感じたなあ。

 

 

おわり

映画 「ユージュアルサスペクツ」 感想

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Amazonプライムで「ユージュアルサスペクツ」を見ていると珍しく母が話しかけてきて、私はこの映画を10回見たとのこと。

手放しで絶賛するほど面白いというわけではないですが、こういう類の作品は好き。
事件の真相解明・キートンを中心とした悪事を描いたシンプルな構成でわかりやすかった。
ただ、登場人物個人のドラマやエピソードが良くも悪くも少なかった。
予備知識なしで見た方が絶対に面白いです。

 

 

 

ネタバレをしてしまうと、

 

最後に大どんでん返しがある。

そのラスト3分のために前置きの90分がある。

そんな作品。

でも事前にこれは衝撃の結末ですよという煽り文句で構えて見させられると変に肩透かしを食らってしまうので何も知らない真っ白なキャンバスのままで見た方がいいです。

自分はオチがすごいという情報を知っていたのでそれありきで見てしまっていました。

叙述トリックやどんでん返しのある作品は面白いですが、それ目当てで見るとそうは楽しめないというところが複雑。

映画「この世界の片隅に」 感想

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身近にあるものは一見当たり前のように感じられるが、それがいかに恵まれたことかを私達はどれだけ経験を重ねても学習仕切れない。

その恩恵に気づくには、1つはその当たり前のものが失われた後か、もしくはその大切さを誰かに思い知らされた後かのどちらかだ。

今の世界というのは第二次世界大戦とはいくら月日が経とうとも切っても切り離せない関係にある。

衣食住全てにおいて不自由のない平和な生活を送ることができるのも今の私にとっては当たり前のことではあるが、それは過去の反省を生かした先人達の奮闘や努力の賜物であるということを戦争を題材とした映画を見るたびに思い知らされる。

 

 

主人公であるすずさんが大切にしていた生まれ故郷の広島、そして嫁ぎ先の呉での暮らし。映画の前半部分は日常生活に始まり、炊事、家事、洗濯などの主婦としての仕事、そして人間関係に至るまで、当時の時代背景をもとに時にはクスクス笑える場面も盛り込みながらコミカルに描かれている。

しかしあの日が近づくにつれて次第に戦争の足音が押し寄せる。度重なる空襲、父の負傷。そして不発弾による姪の死。すず自身もその不発弾により右手が消失する。

劇中でも何度も描写され、幼少の頃から暇さえあれば描いていた絵ももう描けない。家事も思うようにできない。可愛がっていた姪にも二度と会えない。爆弾でいつ命を落とすのかも分からない。そして故郷の広島では父母兄が命を落とした。

今まで当たり前にあったものが全て否定され、奪われる。それが戦争。

 

その中ですずさん自身にも心の変化、成長が垣間見えた。天真爛漫な性格で、自分の意見を中々言えずにいたおったりとした人物であったが、右手を失ったことで、今まで絵に昇華させてきた自身の感情を外に曝け出すことが可能になり、今度は言葉や行動で表すことができるようになった。

夫周作に対しての初めての反抗や共に暮らす周作の姉径子に対する甘え。そして広島には帰らず呉に残るという決意。戦争孤児を引き取る決断。

それは北条家の妻としてこれから生き抜いていくすずの自覚を伴った一大決心にも思えた。

 

 

この映画の良さはストーリーだけではなく、各演出もよい。

不発弾が爆発した際に、突如として世界が暗転し、湧いてくる後悔の念。そして眼が覚めると右手と姪を亡くしていた、という場面。

原爆によって広島から呉にあるすずの家まで飛んできた障子。それを片付けようとする際に障子の一面一面に広島での昔の思い出が浮かんできた場面。

物語の大きな節目で見る者の心を惹きつけ深く印象付けたこの演出には涙した。

 

また、主人公すずさんのマイペースで、柔和な雰囲気のある、みんなから愛されるキャラクターは声の担当をしたのん(能年玲奈)とマッチしているのも作品を魅力的にしている大きな要素である。

方言の発音がどこまで適切なのかは分からないが、「あまちゃん」でも「この世界の片隅に」でも表れている方言のそれっぽさと聞き取りやすさが、作品の雰囲気作りと分かりやすさを保たせてくれているのだろうと感じる。

 

 

それにしても今年はいい映画が多い。

この世界の片隅に」みなさんも是非見てください。