今まで誰にも言えなかったこと
僕には妹が2人に入るが、
その内長女は実は障害を持っている。
そして、妹は肢体不自由の身体障害者でかつ話すことができない知的障害者であり、いずれも最重要度「A」である。
生後間も無くなんらかの発作を頻繁に起こし、その発作が原因で脳に重い障害を持ってしまったらしい。
ただ発作が原因ということは分かったが、何故発作が起こったのか、何故障害が起こったのかまでは全く分からない原因不明の病気らしい。
おそらく、僕自身の1番古い記憶が、妹が入院している病院の光景でそこには大きな汽車があり、無邪気に何も考えず、遊ぶことを楽しんでいた。
今では、妹は優秀な先生のおかげで発作も収まり、食事もとても好きで、笑い声もよく見せてくれる。しかし、歩いたり、話をしたりすることはできない。
なぜこんな話をしたのかというと、今日実家から手紙が届き、妹と両親が染色体や遺伝子などの検査を受け、国レベルの遺伝子治療チームに原因を追求してもらうことになったからだ。
この子は一生人と話すことがてきない、あらゆる薬を試したが原因が分からないと言われ途方にくれたという話を母からよく聞いた。
しかし、検査によってひょっとしたら数年後には原因が分かるかもしれないし、僕が生きている間に妹と話すことができるかもしれない…と考えると涙が止まらなくなった。
今は障害を生かすための治療は進んでいても、治す治療が進んでいないのが現状で、過度な期待は禁物だがそれでも僕に取っては青天の霹靂のような気分がした。
一生話すことができないと諦めていたので。
そして、もう1人の妹は現在教育大学に通っており、養護学校の教員を目指している。昔は毎日喧嘩をしていたが、今となっては尊敬している。
自分だけが全く関係のないフィールドにいていいのか…とは思うがまずはこっちで少し社会経験を積もうと思う。