サカナクション
僕が音楽、とりわけロックバンドにはまったのは高校2年生のことでした。
受験勉強をそろそろスタートしないといけない時期、かといって数時間も勉強をする集中力もストレスを発散する趣味もない。野球観戦や読書が趣味ではありましたが、野球は冬にはやっていませんし、読書も参考書を読んだ頭には少々辛い。そんな中で、学校の行き帰りや勉強の合間に音楽を聴いたり、毎週金曜日の晩にTSUTAYAに行ってアルバムを5枚借りて聴くことが僕にとっての唯一の楽しみでした。
当初はJPOPを中心に借りていました。いきものがかり、B'z、ミスチル、コブクロ、絢香、Superfly、ポルノグラフィティ、槇原敬之など。ただ一通り興味のあるJPOPを聴いたので次に何を聴こうか迷っていました。BUMPやRADWIMPSは多少齧っていたのですがバンドをそもそも知らないのでどれが有名なのかも分かりませんでした。
そんな時に実家のCSチャンネルで放映してあったSPACE SHOWER TVという音楽専門チャンネルをたまたま見ました。SPACE SHOWER TVでは邦楽ロックバンドのPVをまとめたものを中心に放送しています。そこで僕はたまたまサカナクションの「アルクアラウンド」見ました。
そもそもPVというもの自体をそれまでほとんど見たことがないのに、なぜかぼんやりと眺めていただけの名も知らないバンドのPVに、ものの数秒で僕は引き込まれていました。ノーカットで撮られてる所とか、文字が重なったりする所とか、曲が終わったらまたループする所とか、ロックかエレクトロかクラブミュージックか何か分からんけどとにかくノれるサウンドとか、サビに向けてゴワンゴワンと高まるシンセとか、思わず取ってしまうコーラスとかその全てにハマってしまいました。
どのくらいハマったかと言うと、PVでボーカルの山口一郎さんと同じ青いジャケットを購入し、それを暗い夜道で「アルクアラウンド」を聴きながら本人になりきって回転しながら口パクで歌うという奇行をするくらいでした。
ちなみに青いジャケットはユニクロで売ってました。8000円くらいしました。ただ色の主張が強すぎて芋っぽかった僕には到底似合わず、2回くらい着て捨てました。
「アルクアラウンド」の次に発売された「アイデンティティ」もかなり衝撃的な楽曲でした。もう初めて聴いたラスサビぐらいでは「どうしてええええええええ」と曲に合わせて歌ってしまうほど一瞬にしてハマってしまいました。一時期世の中にある楽曲の中で個人的好きな曲ランキング1位に躍り出るほど好きでした。高3の頃とか浪人生の頃にはもう1人で「そう!」と言いながら虚空をその腕で切り裂くくらいには楽曲と自分自身が一体化していました。当時はカラオケで歌っても全然声が出ませんでしたが、大学に入ってなんとか原キーで出せるようになった時はかなり嬉しかったです。
映像を初めて見た時はザキオカさんの眼鏡かっこいいなあとか思ってました。「どうしても叫びたくて僕は泣いているんだよ」の歌詞の部分でパチンコがまるで泣き顔のように見える演出も凝ってるなあと感じました。
ナカイの窓で使われがち。元ロッテのホワイトセルの応援歌で使われがち。
アイデンティティといえば、ライブ版での繋ぎの演出も見事です。ルーキーという曲があるんですが、
アイデンティティからルーキーの流れを自然と作るこのアレンジが最高に好きですし、初めて見た時は鳥肌が立ちました。
この曲を聴きながら部屋の明かりを真っ暗にして、ベッドに仰向けになって横たわり、大きく手足を聴いた時の全能感ハンパないのでオススメです。皆さんも是非やってみてください。
こっちがその見事な繋ぎです。見たことがない人は見てみてください。かっこいい。みえないよるのつきのかわりにひっぱってきたあおいきみ
サカナクションといえば、他には山口さんが10年かけて書き上げた大作「目が明く藍色」や最近はライブではやらないですが初期の代表作「ナイトフィッシングイズグッド」とかラスサビで高揚感が爆発する「夜の踊り子」とか、イントロの中毒性の高いシンセが特徴の「セントレイ」とか。他には、「三日月サンセット」、「ふくろう」「表参道26時」「シーラカンスと僕」「仮面の街」「映画」など夜に聴きたくなる曲がたくさんあります。
誰かサカナクション談義を僕としてください。
そしてライブに行きましょう。。
そう言えばこのアー写が最高に好きです。