気ままに生きます

人生いろいろ

映画 「シェイプ・オブ・ウォーター」 感想

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これは大人版E.T.ですよ。
と同時に美しい女性とイケメン王子の愛の物語である「美女と野獣」に対するアンチテーゼでした。主人公イライザが自慰行為をしたり、裸体を曝け出すカットが多くあり、人によっては、確かに意味不明なエロにも見えると思います。しかしリアルなものを曝け出すことによりあえて、決して美しいとは言えない中年の女性イライザとクリーチャー扱いされた半魚人との愛を描き切ったデルトロ監督は素晴らしかったです。
子供のいない間に妻と乱暴に身体を重ねるストリックランドとは描かれ方が対照的で、何度も脱いではいるんですが、直接的なシーンがなかったというのも面白いです。まさしく中年女性と半魚人の純愛でした。冒頭から何度も流れていたテレビの中の舞台のような場面と重ねるかのようにイライザが半魚人と歌って踊るというのも美女と王子が踊る美女と野獣に対する皮肉なんですかね。笑

ラストの水中のシーンも美しかったです。最後までキスシーンを取っておいた意味があの時ようやく分かりました。イライザの首筋の3本の傷も半魚人が撫でるとエラになるというラストのためにあってうわ〜やられたなと思いましたね。息を吹き込む必要もなくなって最後に2人は抱擁する、ポスターが実はラストそのものという演出も好みです。

デルトロは自分好みの演出をするために2億円この映画に投資したらしいですね。オタクの妄想最高。

映画 「blank13」 感想

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リリーフランキー高橋一生松岡茉優が出ていると聞くだけでもうこれ面白いんだろなあと思ってた斎藤工監督初の長編作品。
斎藤工本人の人間性が色濃く出た作品で、終盤のある種度が過ぎたお笑いパートは、他の映画ではあまり無い壊し方でシュールでした。それまでのシリアスな空気感を思いっきり変えてくる佐藤二朗に加えて、トドメはくっきーというキャスティングは予想外過ぎて笑ってしまいました。

隣の敷地で同じく葬儀を行なっていた同性の松田家とは裏腹にほとんど参列者が来ない松田雅人の通夜。借金まみれにも関わらずいつもギャンブルをしていて、妻に苦労をかけ、挙げ句は夜逃げ。余命3カ月だということで13年ぶりにに会いにいってもやっぱりいつもの父で最後の最後まで借金の話をしていた。

通夜には見るからに社会から逸脱した人が数人来ただけだったが、そこで語られる知られざる父親の顔。子供から見ればどうしようもない人間だと思っても、自分の知らない親の良いところって必ずどこかにありますよね。
結局は参列者が多数いたもう一つの松田家の方はバイトのサクラでカサ増ししていただけという皮肉で終わるのがなんとも良いですね。

人生は最期の瞬間にどれだけの人が葬儀に訪れるかでその人の価値は決まる、みたいなことを時々聞くけど本当にそうなの?と一石を投じた作品。

通夜には参列しませんでしたが、雅人からもらった手紙を持ち、喪服を着て公園に佇んでいた妻の表情がなんとも物悲しい。

こんな風に最期の瞬間に思い出を語ってもらえるような人間になっていたいなと思いました。

上がり目

1.上がり目

みなさんにはありますか?

自分はないです

長所なし、貧乏、性格悪い、消極的

早く目標の1000万たまらんかなー

 

 

2.写真

自意識しかない人間なので僕は絶対に自分の写真をアイコンにしたりSNSに上げたりできません 人から気持ち悪いと思われそうとか思わないんでしょうか 思わないんでしょうね そういう自分が一番気持ち悪いですよね でも大抵の人って実は自分が好きですよね 僕の場合は人から自分が好きそうと思われるのが嫌であらゆる可能性をできるだけ排除してるだけなんですよね 気持ち悪いですね

映画 「15時17分、パリ行き」 感想

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クリントイーストウッド監督の最新作を観てきました。

そもそもノンフィクション映画でメインの3人が本人ってすごすぎませんか?みなさん演技が上手すぎます。

 

ラスト10分のための前半80分という構成ですが、「新感染」的な閉鎖空間でのパニック映画を期待していた人にとっては確かに物足りないんだと思います。
でもこれはノンフィクションなのでどちらかというとドキュメンタリーに近くなるのは当然ではないでしょうか。

 

ストーン達がなぜ大虐殺の悲劇から乗客を救うことができたのか、彼が人を助けたいという強い願望をもって軍人を志願し、培った人命救助や柔術のスキルをラストで如何なく発揮するその伏線回収っぷりはさすがイーストウッド監督だなあと思いました。 

 

ラストに勲章授与式典の実際の映像と式典の様子を後ろから撮影しているように見せかけた今回用意した映像を交互に映し出す特集なシーンがありますが、イーストウッド的には徹頭徹尾現実のリアルなものとしてこの映画を描きたかったんだと思います。一見自分たちは何を見せられているんだ?と思いたくなる何気無い旅行シーンもよく考えて見ればイーストウッドのこういった考えが現れているんだなと感じさせられました。

 

前作の「ハドソン川の奇跡」ではエンドロールでパイロットと乗客が感動の再会を果たすシーンが流されていましたが、今作でもストーン達が撮りためた数々の自撮り写真を最後にズラッと見せたりするのもありかなとちょっと思いました。

映画 「グレイテスト・ショーマン」 感想

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ミュージカルが合わないのか分からないんですが、一言で言うとめちゃくちゃ薄っぺらい映画でしたね。
中身の無さを音楽やら踊りやらで無理やり切り貼りして繋げただけかなあと。
目の前の出来事のみにフォーカスされていて、登場人物のパーソナルな部分が全く見えてこなかったので、さっきまで非道なことをされていたのになんでそんな行動を取るの?と疑問符がつくシーンばかりでした。

 

夫のスキャンダルを見せつけられたのにすぐによりを戻したり、バーナムがサーカスを裏切って金儲けに走ったのにメンバー全員が全員戻ってきたりとドラマ性も何もない。
化け物扱いされていた女性が歌という自分の最大の長所を生かして花舞台で活躍できたのに、リンドという圧倒的美声と美貌を兼ね備えた自分の更に上をいくすげー奴が出てきてそこで葛藤する、ということもなかったりとか、とにかくうわべだけなんですよね。せっかくの個性派集団も見た目が醜いという雑な括りで特にキャラ立ちもしていなかったですし。

 

でもこういう映画って人間ドラマを魅せることが一番の目的ではないのでこんな視点で語るのはナンセンスかもしれないですね。

食事について

高級料亭とか回らない寿司に行ったことはありませんが人生で普通の人が経験しているくらいには美味しいごはんを食べて来ました。

でも忘れられないくらい美味しかったのは、中学受験の合格発表が終わった後に母親と食べたKYKのとんかつだったかなあ。

小学生ながら友達との遊びを断ってまで一生懸命勉強した結果、なんとか第一志望に合格し、勉強地獄から解放された喜びと母親の笑顔を見て何か全てが終わった気がしました。

好きなものなんでも食べていいよと言われて僕が選んだのがKYKのとんかつと言う、微妙に遠慮してるところとか渋めなチョイスが何とも子供らしくないですね。

食事ってその場で食べるぶんにはもちろん味が一番重要だと思うんですけど、後々記憶に残るような食べ物って結局は誰と食べたか、どういう状況だったかの体験含めてなんですよね。

そう考えると美味しいものを食べる機会は増えましたが、どこか空虚なのはそういうことなんですかね。

KYK久しぶりに食べたいなあ。

映画 「犬猿」 感想

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自分は妹と仲が悪かったのでかなり共感できたというか、痛いところ付いてくる作品だなあと思いました。
相手の行動全てが癪に触る時期が恥ずかしながらあって、その度に牙を向けてみたり、余計な一言を言っていた頃があったっけ。でもどれだけ嫌いでも一応血の繋がった兄弟なので何も知らない他人に貶されるとそれはそれで「いや、違うんだ」と言いたくなるのも事実。でもそれを本人には面と向かって伝える勇気はないし、兄弟の間で明確な年齢的な上と下はあっても兄だから、妹だからとお互いに譲歩することは絶対にない。
心の奥底では尊敬の念やあいつも頑張ってるとは思っていても次に会話するときにはそんなことは完全に頭から抜けていて、やっぱり合わないとは思いつつもめちゃくちゃ嫌いというわけでもない。
こういう兄弟って結構多いんじゃないでしょうか?

 

 

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窪田正孝&新井浩文という安定感抜群コンビとニッチェ江上&筧美和子という一見まさかのキャスティング!?と思いつつもバッチリ役柄にハマっていた2人。これは選んだ製作陣のファインプレイでしょう。特にニッチェ江上上手い。普段のコントでも若干芝居っぽいものが多いですが、映画初出演?でこれだけ魅せてくれるなんて。ストーリー的には地味なんですけれど2人の演技が最後まで映画の鮮度を保ってくれていたような感覚。コーヒーカップでフガフガ言ったり、ブスブス連呼されたり、エロいイメージビデオに出演したり他の役者には出来なさそうな演出が結構ありましたね。
冒頭の昨今の映画界に対するアンチテーゼも好きです。

 

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