気ままに生きます

人生いろいろ

なぜサブカルは浅野いにおが好きなのか

サブカルの心を掴んでは離さない浅野いにお

ではなぜ浅野いにおはそうまでして彼らに愛されるのでしょうか。

特に長々と語るつもりは毛頭ございませんが、理由は大きく分けて3点あります。

 

まずは分かりやすい設定。売れないバンドマン、しがない貧乏大学生、登場人物がメンヘラとサブカルが共感する要素満載。若いがゆえにまだまだ将来に見通しが立たず眼前に広がる現実を直視できない若者たちがバンドマンという1つの理想に対して憧憬の念を抱くというのは誰もが通る道とも言え、物語の中に非常に入っていきやすい設定です。

サブカルはサブカルそのものを生み出すバンドマンや漫画家のようなクリエイターに一度は憧れますが、浅野いにおの作品はそういった現実では起こりえなかった並行世界をうまく描いているためサブカルにとってはドストライクであると言えます。

 

次に作品の長さ。浅野いにおの作品は最長でもおやすみプンプンの13巻でほとんどが2巻以内で完結します。サブカルはとにかく金がない。これがワンピースやキングダムのようにいつ終わるのか分からない重厚長大なボリューム感だとサブカルは食いつきもしなかったでしょう。ちょうど手にとって短時間で読めるお手頃な長さが金銭的にも時間的にも楽しむのには都合がいいのです。

 

最後の1つはやはりセリフでしょうか。浅野いにお作品にはセリフのみの何の書き込みもない真っ黒や真っ白なコマがよくありますが、それは読者が自分の心と作中のセリフを重ね合せるシーンでもあるのです。何の描写もないコマを読むことで自分の中の世界に一時的に浸りやすくなります。サブカルは文化的なこと、特に音楽・書籍・映画・舞台などを好みますが全ては内包されているメッセージを拙い読解力で解釈しそれを自分なりのエッセンスや人生教訓にしてあたかも自分の言葉かのように他者に話したり、発信したいがためです。本当は何を言っているのかよく理解できていなくても、なんとなく真理を知った風な気持ちになれる世界観が大好物なのです。浅野いにおはそんな何処かで聞いたことがある他者からの受け売りのようなセリフが満載です。

 

以上です。ちなみに一番厄介な人間はサブカルを一周した後になぜか上から目線で見下してしまう自分のような人間です。この世は売れれば全てが正義です。

ちなみに僕は浅野いにおは大好きです。最新作の零落はもう読みましたか?早く書店に行って買いましょう。しかしこれはまあ平日の午前3時に書くような日記ではない。