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人生いろいろ

映画 「永い言い訳」 感想

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奥さんが事故で亡くなった時に別の女と不倫していたり、子供の前で子供は邪魔な存在だとざっくばらんに話したり、ドキュメンタリーの撮影中に突然キレたり何かとクズ人間のくせにしんぺいくんに綺麗事を言ってみせる幸夫くんがなぜか憎めない。

衣笠祥雄と同じ名前で若い頃は鉄人衣笠といつも比較されていたと吐き捨てるように冒頭で話していた幸夫だが、妻が亡くなった直後にも関わらずネットで自分の評判や賞賛の具合を検索するシーンからも自尊心の高さが見受けられる。

 

幸夫が執筆した「永い言い訳」には何が記されていたのだろうか。
不倫をしている間に妻を事故で亡くした幸夫は、しんぺいとあかりの面倒を見ることでその罪滅ぼしをしようとしていたのかもしれない。それが幸夫にとっての永い言い訳なのかもしれない。もう二度と妻から言い返されることのない、一方的な自分に言い聞かすためだけの言い分という意味でも長いではなく、永いなのであろう。

 

是枝裕和イズムを感じる、行間を読むことの面白さを感じさせてくれる作品。