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人生いろいろ

映画 「シェイプ・オブ・ウォーター」 感想

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これは大人版E.T.ですよ。
と同時に美しい女性とイケメン王子の愛の物語である「美女と野獣」に対するアンチテーゼでした。主人公イライザが自慰行為をしたり、裸体を曝け出すカットが多くあり、人によっては、確かに意味不明なエロにも見えると思います。しかしリアルなものを曝け出すことによりあえて、決して美しいとは言えない中年の女性イライザとクリーチャー扱いされた半魚人との愛を描き切ったデルトロ監督は素晴らしかったです。
子供のいない間に妻と乱暴に身体を重ねるストリックランドとは描かれ方が対照的で、何度も脱いではいるんですが、直接的なシーンがなかったというのも面白いです。まさしく中年女性と半魚人の純愛でした。冒頭から何度も流れていたテレビの中の舞台のような場面と重ねるかのようにイライザが半魚人と歌って踊るというのも美女と王子が踊る美女と野獣に対する皮肉なんですかね。笑

ラストの水中のシーンも美しかったです。最後までキスシーンを取っておいた意味があの時ようやく分かりました。イライザの首筋の3本の傷も半魚人が撫でるとエラになるというラストのためにあってうわ〜やられたなと思いましたね。息を吹き込む必要もなくなって最後に2人は抱擁する、ポスターが実はラストそのものという演出も好みです。

デルトロは自分好みの演出をするために2億円この映画に投資したらしいですね。オタクの妄想最高。