映画 「15時17分、パリ行き」 感想
クリントイーストウッド監督の最新作を観てきました。
そもそもノンフィクション映画でメインの3人が本人ってすごすぎませんか?みなさん演技が上手すぎます。
ラスト10分のための前半80分という構成ですが、「新感染」的な閉鎖空間でのパニック映画を期待していた人にとっては確かに物足りないんだと思います。
でもこれはノンフィクションなのでどちらかというとドキュメンタリーに近くなるのは当然ではないでしょうか。
ストーン達がなぜ大虐殺の悲劇から乗客を救うことができたのか、彼が人を助けたいという強い願望をもって軍人を志願し、培った人命救助や柔術のスキルをラストで如何なく発揮するその伏線回収っぷりはさすがイーストウッド監督だなあと思いました。
ラストに勲章授与式典の実際の映像と式典の様子を後ろから撮影しているように見せかけた今回用意した映像を交互に映し出す特集なシーンがありますが、イーストウッド的には徹頭徹尾現実のリアルなものとしてこの映画を描きたかったんだと思います。一見自分たちは何を見せられているんだ?と思いたくなる何気無い旅行シーンもよく考えて見ればイーストウッドのこういった考えが現れているんだなと感じさせられました。
前作の「ハドソン川の奇跡」ではエンドロールでパイロットと乗客が感動の再会を果たすシーンが流されていましたが、今作でもストーン達が撮りためた数々の自撮り写真を最後にズラッと見せたりするのもありかなとちょっと思いました。