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人生いろいろ

映画 「スリービルボード」 感想

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3つのセンセーショナルな看板をきっかけに動き出す3人の三者三様な物語。

 

まずよくこんなストーリーを思いつくなと。他ではみられない唯一無二かつ先の読めない展開で最後までドキドキして見られました。
ただ個人的には広げた風呂敷はきちんと畳んでほしいタイプなので、最後までミルドレッドの娘を殺害した犯人を探していた自分にとっては肩透かしを食らう展開でした。あのラストが物語の着地点だと言われればそれまでなのですが。

 

とは言え、登場人物全員が皮肉屋でユーモアが効いており、黒人差別、障害者差別発言に対しても毒を持って毒で返すスタイルが逆に心地よかったです。
その他にも随所に印象的なシーンがありました。ディクソンがレッドを事務所のビルの2fから突き落とすシーンも後ろ姿からワンカットで撮られている分彼自身の狂気と怒りをダイレクトに感じることができましたし、ウィロビーが彼の妻・ミルドレッド・ディクソンに託した3つの最後の手紙とかレッドがディクソンに病院でオレンジジュースを差し出すところとか映像としてとても良かったです。

 

ただ何度も言いますが、突き上げられて、落とされて、揺さぶられた感情の最終的な行き場が見当たらないまま終わった点が唯一にして最大の気掛かりな点でした。