気ままに生きます

人生いろいろ

映画 「葛城事件」 感想

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最初から最後まで胸が痛む、ひたすら鬱描写の映画。

他人に暴言を吐きすぐにカッとなる父。
気が弱くリストラされたことを言い出さずに自殺してしまう兄。
部屋に引きこもり人生に絶望した後無差別殺人を犯した弟。
あらゆる出来事に精神が参ってしまい入院してしまった母。

苦労して建てた憧れのマイホームで自殺を図る父はさすがに見ていられなかった。
かつては幸せにあふれていた場所で死を選ぶってどういう気持ちなんだろう。

自殺した兄の最期の言葉。
レシートの裏に一言「申し訳ない」。
横でほくそ笑む弟。
この辺りはさすがにきつかった。

この映画で1番いいシーンは最後の晩餐と称した父親以外の3人が団欒している場面。
父親は後々、「俺が何をしたっていうんだ」「俺だって被害者なんだよ」と嘆いていたが、このシーンを見て全ての原因は父親にあるような気がした。もちろん兄弟個人の問題ではあるが常に暴力的で乱暴な父が蒔いた種と言っても過言ではない。
しかし、こういう親は世の中に結構いる。
弟が無差別殺人をしたことだけが事件なのではなく、この家庭に起こった出来事そのものが「葛城事件」なのであろう。
この映画はいわば「闇金ウシジマくん」みたいな映画なんだと思う。

いつあなたがこうなってもおかしくない。
という社会に対してメッセージを発しているような気がした。