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気ままに生きます

人生いろいろ

映画 「ルーム」 感想

映画

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電子媒体、特にスマートフォンというのは本当に便利なもので、いつでも手にとって調べ物もできるし覚え書きもできる。移動の最中でも日記を書くことができるし何なら歩きながらでも、トイレに篭りながらでもできる。

ただどんなものにも長所と短所があるもので、筆を取らずに書き留められる反面、誤って削除してしまうと二度とその内容は戻らないというパラドックスが存在する。つまり時間をかけて書けば書くほど再び書き起こすやる気が起こらなくなるということ。

そういうこともよくあるのです…

 

 

 

ところで先日、「ルーム」という作品を観た。

外からは暗証番号でロックされ、唯一光が差すのは天窓のみという劣悪な環境下で7年間も閉じ込められている母子が一大決心をして外に助けを求めに行くというのが大まかなストーリー。と、ここまではありがちな脱走物のようにも思えるがこの作品はただのサスペンス映画ではない。

普通なら物語のクライマックスに脱走シーンを持ってくるが、この映画はあっさり中盤で納屋からの脱出に成功する。そしてここからが物語の肝。

無事脱出した母子であったが、その異質性が故にマスコミの耳目を集め、メディアから好奇の目を浴びせられる。さらに数年ぶりの再会となった親戚や祖父母との微妙な距離感が2人を徐々に狂わせていく。

ただ個人的には最後までこれがサスペンスなのかヒューマンドラマなのかがよく分からず、結果として中途半端に終わってしまったのではないかという印象を持った。

結局は脱出のシーンが1番盛り上がった場面であり、それ以降にあったいざこざが些細すぎたために前半のインパクトを補えていなかったように思える。母子を監禁していた当の父親が逮捕後は絡んでくることが一切なかったし、子供も周囲の同じくらいの年齢の子たちからは特に事件に関して言及されるようなシーンもなかったし、生まれてこのかた母親以外の信頼できる人間に会っていなかったにしては人間関係が上手くいきすぎていたようにも思う。

 

 

しかし、その中でも印象に残るシーンは多々あった。冒頭で子のジャックが納屋の狭い室内にある家具、トイレ・クローゼット・電灯など1つ1つにおはようと挨拶していたが、ラストの場面で取り壊される予定の納屋に訪れたシーンで、ジャックが同様にそれらの家具に別れの挨拶を告げているシーンが特によかった。

ジャックにとっては家具そのものが友達であり、外の世界を知って以降も忘れられない存在だったのであろう。

 

全体の流れで見ると、結局は納屋から飛び出すことはできても、何らかの制約やしがらみがあるという点では世間もまた、ただ広い納屋にすぎないのかなという意味がこの「ルーム」というタイトルに込められているのかなと感じた。

 

それにしてもジャック役のジェイコブ・トレンブレイくんの演技も上手すぎたし、顔も可愛すぎた。