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気ままに生きます

人生いろいろ

プラネテス

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宇宙を舞台にした作品は多い。

漫画であれば宇宙兄弟、映画ではオデッセイ、ゼログラビティ、インターステラーなど。

ただ、上記のような作品は宇宙を目指す宇宙飛行士の苦悩や、宇宙空間の恐ろしさを描いたストーリーである。

 

しかし、それらの宇宙飛行士としての葛藤や宇宙の過酷さを兼ね備え、さらにそこからもう一歩踏み込んだ宇宙空間での人間生活を、想像の世界でありながらも同時にリアルに描いた作品がある。

 

それが「プラネテス」である。

 

プラネテスのあらすじをここで紹介する。

 

主人公のハチマキは宇宙で働く会社員で、主な仕事は宇宙のゴミ「デブリ」の回収作業である。木星探索プロジェクトのクルーに選出され、将来自分の船を持つことを夢見る青年を描いた宇宙SF漫画である。

 

知る人ぞ知る評価の高い漫画であるが、この「プラネテス」は全4巻である。

 

(ここからは多少のネタバレを含みます)

 

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これは1話と3話の主人公を描いたものであるが、1話と2話では主人公の髪色が白?色である。この漫画のレビューでよく主人公の作画が安定しないと言われているが、日々の業務に奔走する活発な時期の主人公と作業中の事故による恐怖体験の後遺症に苦悩している時期を描いた主人公の表情は全く異なっているのは当然である。むしろ、この作者は上手く登場人物の心情を書き分け出来ているように思う。

 

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本作品は宇宙開発がある程度進んだ時代を描いた作品であるので、紫外線による宇宙白血病などの疾病や、宇宙で産まれたルナリアン、上絵のケスラーシンドロームのような宇宙問題についても題材として取り上げられており、その設定の深さが伺える。このような背景を上手く練り上げることで作品に奥行きが増している。

 

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これは最終回で、主人公が乗り込む宇宙船が木星に到達した時のスピーチであるが、ここだけを切り取ると、一見単純でありきたりなことを語っているだけのように見える。しかし、様々な苦悩を克服し、木星という地球から遠く離れた場所に人類が初めて到達した時の声明だと考えるとなんと率直で素直なメッセージなんだと感じる。

 

 

プラネテスは基本的に1話完結の物語が繋がった作品である。しかし、一つ一つに登場人物の持つ哲学が上手く描かれており、少ない巻数でありながらも中身は濃密な読み応えのある漫画となっているので、是非興味のある人は一読してもらいたい。