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イギリスEU離脱

イギリスのEU離脱について

 

イギリス国民の視点に立つと、確かに移住してきた難民に手厚い社会保障や雇用機会が与えられることで、自国民の首が絞められてしまうため離脱を望むというのは納得できる。真面目な難民は雇用機会をイギリス国民から奪い、愚かな移民は犯罪を犯す。メリットは少ないように思える。しかもそれがEUの法律で拒否できないのであれば尚更。しかしそれは同時にキャメロン首相の無力さとも言える。彼がしっかりとした経済政策を立てることができていれば状況は変わっていたはずである。

 

 

ただ中・長期的に見ればデメリットの方が大きいようにも思える。それはイギリスにとってもEU、ひいては世界にとっても。EUを離脱するということは域内関税撤廃から完全に外れるということであり、例えポンド安になったとしても経済的影響は存分にあるように思われる。

 

また、今やドイツが1人味を占めているというEUの状況の中で、今回の一件により、他のヨーロッパ諸国の離脱へと向かう動きに拍車がかかるという懸念もある。今回のイギリスの離脱の理由の1つにも、自国の拠出資金が上手くイギリス側に還元されていなかったというのもあった。特にスペインやイタリアは充分あり得ると思う。そうなってくるとEUが完全崩壊しかねない。

 

日本にもかなり影響がありそう。イギリスに投資している金額もイギリスにある日本の企業も世界2位の数字らしい。また、円高ポンド安で対ヨーロッパの支出は落ち込むことは間違いないであろう。リーマンショック、大地震、そして今回のイギリスのEU離脱と近年日本はいつも死角から攻撃され続けている。

 

一昨年の国民投票で独立に一歩及ばなかったスコットランドが今回ばかりは独立しそうである点にも注目したい。スコットランドEU離脱反対派が全体の3分の2を占めており、スコットランドの首相も独立を示唆していた。もともと北海油田といった膨大な資源を持っているため、更なるイギリスとの意見対立もあって、独立運動も加速していきそうな勢いである。

 

 

自国第一主義を掲げ、難民を排斥しようとしている差別主義者のトランプがあれほどまでに指示を受けているのも、今回の問題も結局は根本のところで世界的に自国のことしか考える余裕がなくなってきているのかなあと感じる。