気ままに生きます

人生いろいろ

実写化映画

今日、暗殺教室の実写版を金曜プレミアムで見ていて思ったのですが、やはりこういう作品を実写化するのは非常に難しいですね。

まずは、登場人物を原作に忠実に再現する難しさです。渚などE組の生徒や烏丸先生や鷹岡先生などたいていのキャストはハマっていたと思うのですが、やはりビッチ先生やイトナなど日本人でない役柄や、日本人離れしている役柄を実写で再現するのは限界があるのではないかと感じます。特にそれが天才的な頭脳を持ち合わせていたり、他を寄せ付けない存在感を持っている場合であるならばなおさらです。例えば、DEATH NOTE藤原竜也松山ケンイチ戸田恵梨香など原作のイメージとかなり近い実力派俳優を起用し、マンガアニメの実写化作品につきまとう課題を乗り越え、実写化映画の代表的作品として多方面から圧倒的な支持を得ました。しかし、映画に比べると評判の悪かったドラマ版では、その他の要素もありますが、例えばキャストの点では、ニアを見た際に、銀髪のカツラを被せ、ただ難しいセリフを言わせているだけのごくごく平凡な子供という印象としか感じられず、その原作とのギャップが、結果的に稚拙なイメージや作品に対しての喪失感を与えてしまいました。



また、進撃の巨人や、まだ公開されていませんがテラフォーマーズなど、ファンタジーやフィクションの世界を実写化するにはかなり難易度の高い作業だと思います。
高度なCG技術を使うことで作品独自の世界観は演出できても、進撃の巨人のような西欧チックな景観や登場人物を日本人のキャストのみでマッチするように再現するのは不可能に近いです。また、テラフォーマーズは、火星で異常繁殖し突然変異を起こしたゴキブリを各国から選抜された多国籍軍が倒すという作品ですが、今回の実写版ではその原作をあえて日本人だけが選抜されたという設定に改変しているそうです。しかし、そのように無理矢理大幅なテコ入れをしてまで作品として仕立て上げたとしても、「なぜこの設定?」という違和感を残しながらストーリーのみが視聴者を置き去りにして進んでいくというデメリットがあるので、視聴者を引き込むにはよっぽど作品としての魅力がないと駄作という烙印を押されかねないと思います。



大ヒット作品を映画化するということは、同時に、原作に対する思い入れの強い熱狂的なファンを相手にするということです。
映画という2時間前後の限られた時間で、それぞれの登場人物や部分部分のストーリーを掘り下げることは難しく、たいていの場合は主人公などの語り手のナレーションを通したあらすじ紹介や、大雑把にそのストーリーをなぞっていくだけにならざるをえません。そこには「あのエピソードが好きだ」と心の中で思っていたファンの期待を裏切ってしまう危険性もはらんでいます。



やはり実写化して再現するなら、時代劇や大河など数々の成功例がある日本の映像作品の得意分野である「るろうに剣心」や音楽というノンフィクションの世界を題材にした「のだめカンタービレ」など、再現しやすい世界観の方が良い映画になる傾向にあるのではないかと感じます。